雨のみちをデザインする
「タニタハウジングウェア様」
株式会社タニタハウジングウェア様は、
導入のきっかけと効果を、同工場の技術部部長・杉山丞さんと製造部部長・久保田寛さんに伺いました。
御社の製品と加工の特徴を教えてください。
《杉山》ここ秋田工場では主に金属製の雨といと、屋根・壁材などを製造しています。弊社の雨といは一般的な樹脂製ではなく、寺社仏閣や高級住宅向けに使われる銅、また一般住宅向けの腐食に強いガルバリウムやステンレスが主な素材です。 素材の薄さは0.35mm~0.6mm 程度で、主にプレス加工とカシメ加工によって成形を行っています。 |
どういった経緯でエナミ精機のプレス金型を導入されたのでしょうか。
《久保田》1999年頃、ある展示会でエナミさんの先代社長にお会いし、提案を受けたのがきっかけです。その翌年にルーバー製造用のプレス装置(200t)を導入しました。
「ルーバー」とは屋根裏の頂点で、複雑な形状を生かして雨水の侵入を防ぎつつ、換気を行う棟換気用部品です。それまでは5回のプレスをそれぞれ別々に行っていたのですが、エナミさんのトランスファープレスによって1工程でできるようになり、大幅な時短とコストダウンが実現しました。
《杉山》さらにその数年後には、雨といの上下をつなぐ変形パイプ型の製品「丸エルボ」のプレス装置(200t)も導入しました。これはA板、B板と呼んでいる2枚の板を、それぞれ7〜8回ずつ別々にプレスし、ハーフパイプ型になった2枚をさらにカシメによって接合する、複雑な工程です。
当時、月産5000個以上あった生産は追いついていませんでした。そこでエナミさんに相談して設計段階からお手伝いいただき、丸エルボを1工程で製造できるプレス金型を設置することになりました。
導入されたエナミ製品のどんなところがよかったですか。
《久保田》特に丸エルボの金型は画期的でした。それまで13回のプレスが必要だった製造現場は、仕掛品を数百個ためて、次工程に流してプレスし、また数百個ためて、最後はカシメて…という煩雑な工程でしたので。もちろん人件費もかかりますし、在庫品を積み上げるリスクもありました。
しかしエナミさんの金型を入れてからは、A板、B板を機械に流すだけ、15秒後にはもう製品が仕上がっているのです。こうした工程をいかに効率化できるか一緒に考え、確実に実現してくれるのがエナミさんの強みだと感じています。
不具合が出た時の調整や修理など、フォローもしっかり対応してもらっていますし。2014年には丸エルボ専用の金型をもう1台追加で設置しました。
今後の展望と、エナミ精機への意見をお願いします。
《杉山》足元は大きな増産の予定もありませんので、これからも定期的なメンテナンスや調整をお願いします。強いて言えば、エナミさんの本社がもっと近かったらいいのになと思うことはありますね(笑)。
《久保田》もちろん、メンテナンスはいつもしっかりやってもらっている前提ですよ。一緒にいろいろと試行錯誤できるメーカーさんですので。これまでに築いた信頼関係を軸に今後もよいお付き合いができればと思います。
株式会社タニタハウジングウェア 本社:東京都板橋区東坂下2-8-1 秋田工場:秋田県大仙市戸地谷字天ヶ沢212-1 https://www.tanita-hw.co.jp/ |